スピンラザとは

スピンラザはお子さんのSMN2遺伝子のはたらきを調整し、SMNタンパク質の発現を増加させる薬です。
SMNタンパク質が増えることで運動神経のはたらきを維持して、脳や脊髄からの信号が筋肉に伝わるようになります。

SMAのある人にスピンラザを投与した場合

SMAのある人にスピンラザを投与した場合
※図はイメージです

スピンラザの投与方法

スピンラザは、脊髄を取り囲む髄腔というスペースに注射して投与します。髄腔内投与では、腰の部分、腰椎の間に注射し(腰椎穿刺)、脳や脊髄に直接スピンラザが行きわたるようにします。

スピンラザの投与方法

腰椎穿刺は検査や麻酔、治療のために、これまでも行われてきた実績のある手技です。スピンラザが必要な場所に直接届くため、からだの他の部分への影響が少ないと考えられています。
投与の際はできるだけ痛みを和らげるよう、鎮痛薬なども使います。

スピンラザの投与方法

わからないことや心配なことは主治医と十分に相談し、不安を解消していきましょう。

スピンラザの投与スケジュール

スピンラザの治療は、最初、からだの中で十分な量のSMNタンパク質をつくりだすために、負荷投与として短い期間で4回投与します。
維持投与期では、からだの中で一定量のSMNタンパク質を安定してつくるために、4ヵ月毎に投与します。

負荷投与と投与イメージ

負荷投与と投与イメージ
スピンラザの投与方法
※乳児型SMAと発症前に診断されたSMAの投与スケジュールを示しています。

動画コンテンツ

スピンラザのはたらきについて

SMAのしくみや、スピンラザがからだの中でどのように効くのかをわかりやすく説明している動画です。

スピンラザの作用について知る

スピンラザの作用や、なぜ背中に注射をするのかについて、より詳しく紹介しています。

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スピンラザの安全性

乳児型(主にⅠ型)のSMA患者さんを対象に行われたスピンラザの臨床試験では、解析の対象となる患者さんの11.3%(80例中9例)に副作用が認められました。主な副作用は発熱2例(2.5%)であり、その他、頻脈(脈が速くなる)、貧血母斑(白いあざがあらわれる)、蜂巣炎(皮膚が赤く腫れ、熱、痛みがあらわれる)、処置後腫脹(処置部位の腫れ)、眼振(眼球の揺れ)、血管炎、体温低下、体温上昇が各1例(各1.3%)でした。

※スピンラザはアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤に分類される薬です。海外において、他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤で血液凝固異常、血小板減少や腎障害が報告されています。
  • 注射(腰椎穿刺)関連の症状

注射(腰椎穿刺)に関連して、以下の症状があらわれることがあります。スピンラザの投与後、医師の指示のもと注意して観察を行います。

発熱、頭痛、背部痛、嘔吐、注射部位からの漏出、脚のしびれ、排尿障害、意識障害

退院後でも、これらの症状があらわれた場合は、医療機関にご相談ください。

社内資料(承認時評価資料): 日本を含む国際共同試験(CS3B)